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2011.01更新

2010年1月4日にオープンしたブルジュ・ハリファは、人類史上もっとも宇宙に近づいた建物である。建物の概要についてはブルジュ・ハリファ特集でたっぷり解説しているので、ご覧下さい。地上800メートルを越す建物がどれだけ驚愕に値するか、是非一度はドバイに足を運んで体験していただきたい。

そんな、2010年時点で世界一の高さを誇るブルジュ・ハリファは、落成後も多くの話題を世界に提供してきた。たった一つの建物なのに世界中を席巻するブルジュ・ハリファを、色んな興味深い確度からご紹介します。

「世界一ネタ」のデパート、ブルジュ・ハリファ

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まずは、ブルジュハリファが持つ世界一レコードを列挙してみよう。

世界一高い超高層ビル(それまでは台湾の台北101)
世界一高い自立型建造物(それまではトロントのCNタワー)
現存する世界一高い建造物(それまではアメリカのKVLY- TV塔)
史上最も高い建造物(それまではワルシャワ・ラジオ塔)
世界一高い住居用建物
世界でもっとも高い位置に設置されたアルミとガラスの建築物
世界で最も高い垂直距離のコンク リートパンピング(ビル、および建造物)

世界一のフロア数(160階:それまではウィリス・タワー(シカゴ)の108階)
世界で最も高い場所にある屋外展望台(124階)
世界で最も高い場所にあるレストラン(122階)
世界で最も高い場所にあるモスク (154階)
世界で最も高い場所にあるスイミングプール (76階)

世界でもっとも速く移動するエレベーター(秒速18メートル)
世界でもっとも高い位置に到達するエレベーター
世界でもっとも長 い距離を移動するエレベーター

出展(一部):Burj Khalifa - wikipedia

もうここまで来ると、世界一の高さに便乗すればワールドレコードなんでもあり状態ですな。たとえば「世界一高い位置にあるトイレ」「世界一高い位置にあるリンゴ」とかも言えちゃう訳です(笑)。何かモノをおけば、それが世界一になっちゃうんです。ブルジュの世界一を列挙したら、ほんとうは無限に出てくるんでしょうね。

世界一の高さにあるフェラーリ?!

ブルジュ・ハリファに物をおけば、なんでもかんでも「世界一」になるという話をしたばかりですが、おそらく「人類史上、もっとも高い位置にあるフェラーリ」と言えるのではないかという写真を発掘!

GigaPanと言う45ギガピクセルで撮影したパノラマ画像を堪能できるサイトがあるのだが、この中にドバイもラインナップに加わった。このサイトの画像がまたすごいのだが、グーグルマップの衛星写真顔負けで、ある部分をアップにしまくっても、画像が全然ボケないどころか、どんどん鮮明になってくる。

で、GigaPanのドバイの画像はこちら⇒http://www.gigapan.org/gigapans/48492

この写真で、ブルジュ・ハリファもぐんぐんアップにして、嘗め回すように堪能する事が出来るのだが、その中になんと黄色いフェラーリらしき物体を発見!

45g.jpg
   ↓アップ!
ferrari2.jpg
     ↓さらにドアップ!

ferrari3.jpg

こんな所で走らす事も出来ないので、観賞用とかなんとなくで置いてるんだろうけど、ブルジュのこの高さに住みながら、走らせない高級車まで置くミリオネアはどこのどいつですか?笑

一番気になるのは、どうやったらこんな所に車を持って来れるの? って疑問。
エレベーターじゃ車は運べませんからね。ヘリか何かでしょうか・・・・!?

この黄色いフェラーリを手っ取り早くGigaPanで見るにはこちらから。
※リンク先のページを開いたら、しばらくほっておくと自動的にズームが始まります

ド派手なオープン記念式典

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2004年から丸6年の建築期間を経て、2010年1月4日にブルジュ・ハリファがとうとうオープンした。

落成されるまではずっとブルジュ・ドバイという名前で知られていたが、オープン当日に突如ビル名を変え、UAE大統領の名前をとりブ ルジュ・ハリファと命名する事が発表された。スピーチによると「偉大な事業には、偉大な人物の名前がふさわしい」とのこと。ドバイ ショックでアブダビから一兆円規模の救済を受ける事になったドバイが、アブダビの首長でもあるUAE大統領をたてた格好だ。

記念式典は非常にビッグスケールで華々しく、ブルジュハリファ全体の側面や頂上を使い、一万発の花火(東京湾大華火祭は12,000発)が使われた。この花火の贅沢な使い方・・。下にある動画を見てやってください。約 6000人の観客が集まり、巨大スクリーンでのカウントダウンやドバイファウンテンのショーも開催。
目玉の建物がオープンするときに派手に式典 を開くのはドバイの得意技。(ザ・パームのアトランティス・ホテルの式典も、世界中からセレブを集めて島全体 を使って派手に行ったのは有名)


オープニングセレモニー ダイジェスト

ブルジュのてっぺんから世界一のスカイダイビング

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ブルジュ・ハリファがオープンした2010年1月、この世界一ビルの頂上から世界記録のベースジャンプが行われました。地上800メートルを超える位置からのスカイダイビング!飛んだのはUAEのダイバーさん。約1分半ほどの間、最高時速220キロほどのスピードに達しながら落ちていったそうです。
ジャンプ台となった、ビル備え付けのクレーン(恐らく窓拭き掃除用)の位置を見るだけでも相当な恐ろしさな訳ですが、ダイバーって恐怖感をどうコントロールしてるんだろか・・汗

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ジャンプの模様の動画。すごい迫力!!

話題尽くしの世界一エレベーター

ブルジュ・ハリファには、一つのビルに56機ものエレベーターがあり、しかも展望エレベーター(2機)は二階建てで ある。このエレベーター、世界一の記録として

「世界でもっとも速く移動するエレベーター(秒速18メートル)」
「世界でもっとも高い位置に到達するエレベーター」
「世界でもっとも長い距離を移動するエレベーター」


などを持つ複数タイトルの世界チャンピオンです。こんな話題の多い世界一エレベーターが、落成後間もない1月9日に停止してしまい、さらに話題を集めてしましました。124階の展望台に向かっていた際にエレベーターが停止。観光客14人が、地上430メートル付近で約1時間エレベーター内に閉じこめられたとの事。
その後、2月6日に、電気系統の問題からまたもやエレベーターが動かなくなり、展望台で人が一時間以上閉じ込められた。その後展望台は長期間閉鎖され、最終的には4月4日に再度オープンした。

ちなみにこのエレベーターはOTIS社製。OTISの実績一覧のページで、リストの一番右に説明があります。

関連記事:ブルジュ・ハリファ一時閉鎖(ドバイ日和)
 

世界一の展望台「アット・ザ・トップ」

2010年1月5日にオープンした展望台、アット・ザ・トップ(At the Top)。124階、地上から442メートルの所に位置し、世界で3番目に高い地点にある展望でありつつ、屋外展望台としては世界で一番高い。

上記にも書いたエレベーター故障などで一時閉鎖となったが、あまりにも人気があったため、事前に日時指定の入場券(100AED)を購入しないと当日直接行っても登れない程となった。そのため、途中から入場券の4倍する当日入場券(400AED)も発売された。

今も人気の衰えないブルジュの世界一展望台。こういった目玉スポットを訪問するためにドバイへ行く・・と言うのも旅行の醍醐味になりそうです。(私は落成前に遊びに行っただけなので、是非また行きたい)


絶景!アット・ザ・トップ展望台からの風景

 The Worldの全貌

theworld.JPG

度肝を抜くドバイの数々のプロジェクト中でも、特にシンボル的な存在の人工島郡The World(ザ・ワールド)。ドバイ首長シェイク・モハメッドの発案で、2003年に初めてこのプロジェクトが発表された。300以上の人工島からなり、上空から見ると世界地図を模した設計となっている。まさに、海の上に出来た手作りの世界地図。しかも「地図」と認識するには、上空や人工衛星の写真でないと拝めないというスケール。各島はリゾート開発や個人利用など、様々な目的で開発される。
 

theworldrocks.jpg

大きさは6キロ×9キロの巨大なエリアで、これらの島は、約27キロにも及ぶ防波堤(これも埋め立てた)に囲まれている。写真で、島を囲むような円状の部分がそれだ。この防波堤を築くために3,400万トンの岩が使われた。一島の大きさは、14,000㎡~24,000㎡で、島と島との間は平均100メートル。The Worldの島々によって生まれた海岸線の長さはなんと232キロにも及ぶ。

 

またこのプロジェクト全体に140億ドル(約1兆4000億円)かかると想定されている。2008年1月に埋め立て最後の岩が設置され、プロジェクトの第一フェーズが終わったとされる。現在はインフラ構築や島の造形といった次のフェーズとなっているが、世界的な不況の影響を受け、現在はプロジェクトの進行を一時ストップしている(2009年9月)。

theworld2.jpgThe Worldで最初に開発されたモデルの島

島の購入と開発

島は販売されるが、誰でも買える訳ではない。まず300島のうち100島は、入念に厳選された世界中の金持ちセレブ個人に販売のオファーがいくそうだ(つまり金があってもオファーが無いと購入できない)。

 

TheWorldDubai-custom[4].jpg

しかし島の大部分は、ホテル計画などができる投資家やデベロッパーなど、リゾート開発を保障できる人達へ販売される。島の値段は15~50億円といわれているが、一部にはたった一島で200億円を越すものもある。2008年1月には、島の60%が既に販売されたと発表された。

商業目的で利用される島のうち、もっとも大きいプロジェクトは、The Worldを開発しているナキール自身が開発予定のもので、北米エリアにあたる島を20島利用したリゾート開発で、マリーナやホテルなどの建設を予定している。またその次に大きいプロジェクトは、クェートによって購入されたオーストラリア・ニュージーランドエリアの14島を利用したリゾート開発である。その他にも世界の大手デベロッパーや投資家が、数百億円を投じてリゾート開発をする予定である。

ちなみに島への交通手段はヘリコプター、水上バイク、ボートしかない。要は、島を購入できない一般人は肉眼で見る事すら及ばないって事でございます。一般向けのホテルリゾートが完成して、そこに泊まれるまでは、直接お目にかかるのはお預けって事ですね。(宿泊費も半端無いと思うが・・) 

 


選ばれしセレブたち

個人に島が販売されるのは、ドバイが選んだ世界一流のセレブだけで、これはドバイから直々にオファーがゆく。たとえ何百億ドルの資産があっても、オファーが無ければ購入できない。お金でも買えない「島を買う権利」をオファーされるリッチな気分、一度味わっていたいものだ。(オファーされても買えないが)


さて、実際にどんな人がオファーに至ったのかと言うのも気になるところで、情報を少し集めてみた。(公式な報道には基づいていないので、不確定情報である)

リチャード・ブランソンバージングループ創設者)

ビジェイ・シン(プロゴルファー)

パメラ・アンダーソン(モデル・女優)

ミハエル・シューマッハ(F1ドライバー)⇒ドバイ首長シェイク・モハメッド氏にプレゼントされた

ブラッドピットアンジェリーナ・ジョリー夫妻

ロッド・スチュワート
 

リンクなど

ザ・ワールド オフィシャルホームページ


エミレーツ航空は1985年に就航を開始した、ドバイを拠点とする航空会社である。オープンした当初は中古のボーイング機を利用して中東とヨーロッパのみに就航していました。

emirates_frying.jpg  ところがその後、驚くような手法で新型機の導入と新規路線をガンガン強化してゆき、今や世界全大陸、62カ国100都市以上に運行するまで成長した。この急成長の中で、現在までに世界中から400以上の賞を受賞し、航空会社世界トップ5の収益に入るほどに成長。またサービスの決め細やかさや、最新の機体および機内設備をそろえるなど、サービス品質についても定評がある事で有名です。
日本向けには、関西国際空港からの直行便が飛んでおり、2010年には成田空港から週五便の運行を予定している。
 

何をするか分からない航空会社

emirates_planes2.jpg エミレーツ航空は、最新鋭機を大量に発注した事で大きな注目を集めた。
 
2003年には、航空史上最高額の190億USドルもの機材の発注を発表。2階建てのA380型機を初めとする最新鋭超大型機を保有する数では世界の航空会社の中でもトップクラス。
 
さらに、2005年にドバイで開催された第9回国際航空宇宙展で、ボーイング777型機を42機発注したと発表しました。これはボーイング777シリーズで史上最大規模の発注です。
 
このような度肝を抜くような大量発注を行うことから、何をするかわからない航空会社とも呼ばれる事があります。
 
2007年頃には、燃料費高騰などで経営難に苦しむ航空会社の中、逆にエミレーツは原油高による中東諸国の好景気に支えられ、「世界で最も景気の良いエアライン」と言われていた。
 

機内サービス

エミレーツ航空の機内サービス評価は高く、業界でも権威あるアメリカのOAG(Official Airline Guide)によるエアライン・オブ・ザ・イヤーなど、数々の賞を受賞している。
 
emirates_seats1.jpg ice(Information, Communications, Entertainment)と呼ばれる、オンデマンドのエンタテインメントシステムが全席に装備。エコノミークラスでも個人用座席モニターで600以上の映画、音楽、ゲームチャンネルの他、衛星電話、Eメール送受信やSMSを座席に居たまま利用できる。また機体外部に取り付けられたカメラからの映像や、Airshowと呼ばれる飛行状況の3D映像なども、視聴者を飽きさせない。システムは標準でアラビア語、英語のほか、日本語にも対応。機内誌は「openskies」が用意される。
 
また夜間に機内の天井に星空が広がる様なムードライティングの演出がなされている。時差ボケ解消に有効らしい。機内食は、標準がイスラム食(モスレム食)だが、アルコール飲料もある。

世界初、飛行中の機内から自分の携帯が使えるシステム

エミレーツ航空の機内で電話 エミレーツ航空は、飛行中の機内携帯電話通話サービスを民間航空機では世界で初めて開始しました。簡単にいうと、自分の携帯を飛行機の中でいつものように使えるシステムです。
飛行中の航空機内で携帯電話の使用を可能にする「エアロモバイル」のシステムを約2700万ドルで導入。搭乗客は、なんと自分の携帯電話を使って機内からの通話やSMSメールの送受信が可能となった。海外ローミング対応の携帯電話も利用できる。
 
ちょっと考えてみてください。おかしくないですか?
いつも使ってる携帯をポケットから取り出して、そのまま一万メートル上空から友達に「ごめん、ドラマ録画しておいて・・」とか電話できちゃうワケですよ。「飛行中は携帯の電源を切ってください」なんて普通の航空会社のアナウンスがアホらしく聞こえちゃいますな。 
 
なお、通話は3万フィートの巡航高度での飛行中のみに制限されるほか、夜間飛行中など、特定の時間帯は通話が制限される。1度に通話可能な回数は最大6通話。100以上の特定のフライトのみで提供されているが、対応機は徐々に増加している。
今後は、「BlackBerry電子メール」や「GPRSデータ・アプリケーション」の追加や、機内エンターテインメントシステム「ice」とエアロモバイルの統合など、機能強化を図る。 

驚きのファーストクラス

emirates_seats2.jpg エミレーツ航空のファーストクラスは、なんと通路と座席がパーティションで仕切られておりほぼ個室状態で、プライバシーを完全に確保できる試み。ボタン一つで開閉する自動ドアがついてます。個人用の収納場所、コートのクローゼット、化粧デスクがありながらも、思いっきり背伸びできるほどの奥行き。さらに23インチのワイドスクリーン液晶テレビが設置され、600チャンネル以上の映画・音楽・テレビ、そしてゲームやメールも出来てしまうので、空飛ぶ漫画喫茶と呼ばせていただきたい程です。※このプライベートスイートは一部路線で提供されている。
 
firstclass.jpg ファーストクラスのオンデマンドサービス・コントローラーはワイヤレスとなっており、タッチパネル式で使いやすく工夫されている。
 
ウェルカムドリンクにはジュースやシャンパンが用意され、座席横の再度テーブルにはミニバーが備えられています。スターバックスのコーヒーやジュース、ミネラルウォーターやコップなどが常備されています。おつまみ、食事やワインにこだわっているのは当然のこと、食後のコーヒーもコーヒーポットごと用意される。

 

世界最大の巨大旅客機「A380」の実態

 エアバス社の超大型旅客機A380を58機も一気に発注し有名になったエミレーツ航空だが、このA380の実態もまだ驚くべき内容である。

Airbus380.jpg

 

全長72.7メートル、最大重量は560トン。最大燃料容量は310キロリットル。世界初の総2階建て旅客機で、ボーイング747を抜いた世界最大の民間機である。またファーストクラスの乗客は、2つ用意されたシャワー室を利用する事も出来る。シャワー用に蓄えられた水は500キロなので、使用時間は制限されている。
 

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また2階席の前方には、ファーストクラスのソーシャルエリアが設置されており、軽食や飲物が用意されている。また2階席後方のラウンジにはバーカウンターもあり、ここではビジネスクラスの人との交流も可能である。
飛行機の中に、左写真のようなバーカウンターですよ。飛行機の概念が「移動手段」ではなくなる日も、そろそろ来るかもしれません。

ドバイ国際空港

dubai_international_airport.jpg エミレーツ航空の拠点でもあり、また世界一の広さを誇るドバイ国際空港。それまで世界一だった北京国際空港のオリンピックターミナルを抜き、4907平方キロメートルの広さを誇ります。82の動く歩道、92のエスカレーター、8機のスカイトレイン、157のエレベーターなど、圧倒的な広さとスケールを誇ります。3つのターミナルから構成され、第3ターミナルはエミレーツ航空専用となっている。またドバイ国際空港は、24時間空港でもある。
 
エミレーツ航空利用で、なおかつこの空港での乗継ぎ時間が4時間以上あいている場合に限り、無料で飲食可能なレストランがある。また空港内の時計のほとんどがロレックス製である。
 
空港の利用者は急激に増加しており、新ターミナルや新空港を建設しているが、空港のキャパシティとしてはパンク状態にある。
 

 関連リンク

エミレーツ航空ホームページ

ウィキペディア「エミレーツ航空」

ドバイ国際空港(英語)

ドバイワールドカップは、毎年3月にドバイで開催される、世界各国の最強馬が参戦する世界最高峰のサラブレッド種による競馬レースである。賞金総額が世界一を誇る事でも有名で、2010年からの賞金総額は約10億円(1000万ドル)となった。一着賞金は約6億円(600万ドル)である。2010年の開催日は3月27日。

ドバイワールドカップ概要

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このレースはもともと、世界有数のオーナーブリーダーでもあるドバイ首長シェイク・モハメド氏が、当時の世界最高賞金レースだったアメリカのブリーダーズカップ・クラシックを超える賞金の競馬の競走を設立を考案し1995年に誕生した国際レースである。毎年3月下旬の土曜日に開催され、ドバイミーティングと呼ばれる全8競争から成る大会のメインレースがドバイワールドカップである。(ただし現在は、この日のレース全体をドバイワールドカップと指す事が多い) 2009年までは賞金総額が6億円前後だったのが、2010年は10億円にアップされた。遠征費用も全てドバイが負担するという、ドバイらしい太っ腹な世界一の競馬レースだ。

なおドバイ(UAE)はイスラム教国であり、賭博が禁止されているため馬券を買うことは出来ない。その代わり、結果を予想して、景品があたるクジを提供している。馬券を買うなら、他国でドバイワールドカップの馬券を売る機関を見つけて購入する事になるだろう。

ワールドカップTIPS
このレースが創設されるまでは世界的に大きなレースはヨーロッパ・アジアの芝レース、アメリカのダートレースと大きく分けて2種類に分けられていた。
芝レースはフランスの凱旋門賞、イギリスのキングジョージ香港カップ香港ヴァーズ香港マイルジャパンカップなどが代表的、ダートレースはアメリカのブリーダーズカップと呼ばれる各距離のダートのG1レースがそれにあたる。
そこに割って入ってきたドバイミーティングは、重賞レースを同日に一斉開催されるレースとなった。「ドバイゴールデンシャヒーン」「ドバイデューティーフリー」「ドバイシーマクラシック」「ドバイワールドカップ」など4つのG1レースを一気に同時開催するビッグレースで、全8競争から成る。もちろん最後(第8競争)が、賞金総額10億円のドバイワールドカップである。

メイダン競馬場

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2010年1月28日にオープンしたメイダン競馬場は、それまでドバイワールドカップなどで利用されていたナド・アルシバ競馬場に代わり、新しくオープンした。 

競馬場とは言っても、ここは複合商業施設の一部であり、ホテル・ショッピングモール・映画館などを含むMeydan City(メイダンシティ)の中にある。2009年まで利用されていたナド・アルシバ競馬場については競馬国際交流教会 世界の競馬場のページから詳しい情報を確認出来る。

●コース

外が芝コースで一周2,400m。内は一周1,750mで当初ダートコースとなる予定だったが、最終的にはオールウェザー馬場の一種である「タペタ」を導入した。日本ではオールウェザーの導入を積極的に進めていないため、日本馬が慣れていないコースで走るための調整も求められる。

●施設

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グランドスタンドは約6万人を収容。中にはホテルも併設される。さらに船着場まで併設され、船で直接競馬場に訪れることが可能だという。
ちなみに世界最大の映像装置オーロラビジョンも設置されている(双日と三菱電機が建設)。画面の大きさは、縦幅10メートル、横幅なんと100メートル以上もある。

ドバイミーティングのレース詳細

施行 競走名 競走格 施行コース 総賞金額
第1競走 ドバイカハイラクラシック UAE国内G1 オールウェザー2000m 25万ドル
第2競走 アルクォズスプリント G3 芝直線1200m 100万ドル
第3競走 ゴドルフィンマイル G2 オールウェザー1600m 100万ドル
第4競走 UAEダービー G2 オールウェザー1900m 200万ドル
第5競走 ドバイゴールデンシャヒーン G1 オールウェザー1200m 200万ドル
第6競走 ドバイデューティーフリー G1 芝1800m 500万ドル
第7競走 ドバイシーマクラシック G1 芝2410m 500万ドル
第8競走 ドバイワールドカップ G1 オールウェザー2000m 1000万ドル

出典:ウィキペディア

過去の主な出走馬

ゴドルフィンマイル 1600M ダート
2006年 ユートピア 武豊 1着

ドバイゴールデンシャヒーン 1200M ダート
2002年 ブロードアピール ペリエ 5着

ドバイデューティーフリー 1777M 芝
2007年 アドマイヤムーン 武豊 1着
2007年 ダイワメジャー 安藤勝己 3着
2008年 ウォッカ   武豊  4着
2009年 ウォッカ   武豊  7着

ドバイシーマクラシック 2410M 芝
2001年 ステイゴールド 武豊 1着
2006年 ハーツクライ  ルメール 1着

ドバイワールドカップ 2000M ダート
1997年 ホクトベガ   横山典弘  競走中止
2002年 アグネスデジタル   四位洋文  6着
2004年 アドマイヤドン   安藤勝己  8着
2005年 アジュディミツオー   内田博幸  6着
2006年 カネヒキリ   武豊  4着
2007年 ヴァーミリアン   ルメール 4着
2008年 ヴァーミリアン   武豊  12着
2009年 カジノドライヴ  安藤勝己  8着

この他にもたくさんの日本からの出走馬がいるがどの馬も成績は振るわなかった。考えられる理由として、アメリカやヨーロッパの馬に比べると遠征をすることに慣れていない日本の競馬関係者や、高速馬場と呼ばれる日本の芝生に対して、よりパワーを必要とするコースその物の違いも考えられる。また日本の競馬は5月‐7月、 9月‐12月に主要レースを置いている為年明けから春にかけては一流の馬は休養に充てられることが多いため調整がむずかしいということも言われている。(Yuya)

見どころ

第8競走ドバイワールドカップ

賞金に世界最高額がかけられる。ウォッカの引退レースとなる予定だったが、前哨戦のレース完走後、鼻出血をし、これ以上無理をさせられないという判断から突然の引退が決定した。ただその前哨戦で一着となったレッドディザイアが、当初予定していたシーマクラシックではなくワールドカップに参加する事が決まり、ウォッカの雪辱を晴らすべくレースに挑むこととなる。

レース概要:賞金総額10億円(1000万ドル)、一着6億円(600万ドル)、オールウェザー2000m
日本の招待馬:レッドディザイア、(ウォッカは3/7辞退・引退決定)
その他の注目馬:ジオポンティ(アメリカ、2009年のG1レースを4連勝中
過去の名レース:2000年のドバイミレニアム(UAE)の勝利が有名。名づけられた通り、期待され続けた2000年の本命勝負で6馬身差という圧倒的な勝利をし、まさにこの日の為に生まれてきたと言えるドラマチックなレースとなった。スタートから先頭で逃げ続け、ラストの直線で更に後続との差を広げるという圧倒的なレース運びは圧巻である。その時の以下の動画は必見。

 

第7競走ドバイシーマクラシック

レース概要:賞金総額5億円(500万ドル)、一着3億円(300万ドル)、芝2410m
日本の招待馬:ブエナビスタ
過去のレース:日本馬では2001年にステイゴールド(武豊)と2006年にハーツクライ(ルメール)が勝利した競走として日本では知られている。
↓2001年ステイゴールド優勝


↓2006年ハーツクライ優勝

 

2010年ワールドカップの分析 by Yuya(競馬マニアな管理人の友人
ウォッカが残念ながら引退した結果、やはり今回のドバイミーティングで注目するべきはレッドディザイア、ブエナビスタの2頭だろう。
阪神ジュベナイルフィリーズを制し2歳女王になり、桜花賞、オークスを制し牝馬二冠に輝いたブエナビスタと、最後の一冠秋華賞を鼻差で制しブエナビスタの三冠を阻止したレッドディザイアがそれぞれドバイシーマクラシック、ドバイワールドカップに出場する。

ドバイシーマクラシックは、オークスでも制した2400m(2410m)・芝のコースで実績は十分。ただ一つ問題点をあげるとすると、ハーツクライが制した時もそうだが、先行した馬がそのまま行ってしまう事が多いので、いつものように最後からの競馬をしようとすると、届かない可能性があるので、どのような展開になるか注目したい。
レッドでザイアに関しては、もともと中段前目から行く競馬を得意とし、つい先日の前哨戦でも、前からの競馬でしっかりと勝っているので脚質に関しては問題ないだろう。
しかし、そこは世界の超一流馬が集まるレースという事もあり、正直なところまだまだ胸を借りる立場なので悔いの無いレースをし、日本の競馬がどこまで通用するのか日本のファンに見せて欲しい。

いずれにせよ、ダイワスカーレット&ウォッカが引退した今、新たにライバル関係あり、間違いなく今年、来年の日本競馬界主役であるこの二頭を世界一のレースで見られるというのはとても楽しみであり、是非世界を驚かせて欲しいと思う。!

リンク

ドバイワールドカップ オフィシャルサイト

メイダン・シティ(Meydan City)

ドバイ・レーシング・クラブ(Dubai Racing Club)

[ドバイ・ワールド・カップ] ブログ村キーワード

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lack of xx ドバイワールドカップ2010への道

arimaの馬なり競馬日記

競馬ノート

 

ドバイの魅力はなんなのだろう?

 

私が初めてブルジュ・ハリファ(旧名ブルジュ・ドバイ)の映像を見た時は、アラブの遠い国で想像を超えるようなことをやっている・・程度のイメージだった。国の名前すら記憶になかった。しかし、「世界一」に溢れるドバイの情報やニュースを耳にするにつれドバイに興味を持ち、そしてもっとドバイを知ると、隠された面白さに気づく。
 

burjdubai.jpg



そもそもドバイは、世界から注目されるはずもない国だった。


だいいちドバイは国ではなく、アラブ首長国連邦(AUE)の一つの首長国に過ぎず、

いってみれば「UAE国のドバイ州」みたいなもんである。

しかもUAE最大の「州」でもないんです。

産油量はUAE最大のアブダビと比べたら、その10分の1にも満たない。

UAEとなってからの歴史だって数十年ほど。日本の歴史と比べたら、まだ一瞬に過ぎない。

 


そんなドバイも、ある事に気がついた。

shake0.jpg

 

「あ、石油が無くなりそうじゃん。おめーら早く言えよ(怒)」

と首長シェイク・モハメッド氏が部下に言ったかどうかは不明だが、

石油が無くなった後の近い将来を支えるべく、様々な手段に打って出た。



詳しくは激変のドバイをご覧いただければわかるが、

近代都市を「かなり無理やり」とも言うほど急速に作っていった。

その激しさときたら。「世界一」の看板がくっついた建造物が竹のようにニョキニョキ生まれてゆく。

 

こうして出来上がった、人工の国ドバイ
人と金と注目を集める目的は大成功したと言ってよいだろう。
(借金もたくさん作っちゃいましたが)
 

dubaicity.jpg

 

・・・・しかし、である。

 

単なる「世界一がいっぱいの、豪華都市」というイメージはドバイの本質じゃない

ちょっと視点を変えてみると、ドバイの面白さがより見えてくる。

 

ドバイは歴史も浅く、文化や産業も他国と比べると規模の小さいものである。

さらに国土の殆どが「砂漠」で覆われており、観光地も何もあったもんじゃない。

しかも夏は気温50度に達し(オイ)、5分と外に立っていられない

わざわざ海外から遊びにくる理由が見当たらない。

 

desert.jpg



要は、人を呼ぶにはあまりにも観光資源に乏しいのである。

 

shake0.jpg


「観光地が無いなら作っちゃえ」 

と首長シェイク・モハメッド氏(再登場)が言ったかどうかは不明だが、

もともと何も無いなら、人工的に観光スポットを作る、という戦略は納得のいくシナリオ。

 

そこで、おなじみ世界一だらけの観光スポットをつくりはじめた。

 

さらには人工的に「自然」を作るという、行為自体が矛盾するようなプロジェクトも動き出す。

たとえば巨大人工島ザ・パーム、上空からしか認識できない世界地図のような人工島郡ザ・ワールドは、数兆円規模の予算で進めている、自然を造成する超巨大プロジェクトである。これも人を世界中から呼び寄せるためである。ちなみに計画は白紙になってしまったが、一時は「まるごと海の中にある、海中ホテル」も計画していた。(このホテル、実現して欲しかった・・)
そもそも砂漠気候のドバイに、緑が生い茂ってる今の状態こそ、まさに「人工的な自然」状態。

 

palm.jpg

 

さらに、自然を改造することで

海の上に立つホテル
「猛暑の国に作ったスキー場」

「砂漠にある世界最大のアミューズメント施設」(建築中)
「砂漠にうまった競技場」(計画段階)
「世界最大のウォーターフロント」(計画段階)

などなど、自然を凌駕しまくりの夢のようなプロジェクト目白おし。

これだけ話題を作れば、私みたいにドバイに行きたくなる人が増えるのは当たり前。

空港の利用客も6倍に増えて、今や成田と同じ規模の人が行き交う。

 

 

ただですね、忘れちゃいけないのは、このようなプロジェクトを進行できるのは

ドバイが現時点でまだ石油の恩恵に授かっているからなんである。

つまりオイルマネーの信用があるからこそ、世界中から資金を集め、

このようなプロジェクトを組むことが出来ちゃうのである。

 

このようにドバイは


「人工的」という自然からもっとも離れたところで生き残ろうとしていながら、

もっとも自然(石油)に頼って生きている国なのだ。

 

自然から遠いようで近い。

人工的な都市に見えながら、自然に頼って出来た国。

 

こんな矛盾だらけの国だから、ドバイは面白い。

欲望と繁栄の都市ラスベガス

人間の欲望と技術がどれだけ「すさまじい」ものか、初めて体験したのは、カジノで有名なラスベガスに行った時だった。

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ご存知の通りラスベガスはカジノで有名だが、何故ここでカジノが発展しているのかと言うと、一つの理由は税金の安さ。ラスベガスのあるネバダ州は 個人所得税・法人税が無く、他の税金もかなり低いので、大企業にとって魅力的な土地なのだ。そして二つ目にネバダ州はカジノが合法であるということ。囲ま れる州は全て賭博が禁止されているので、州境にカジノを設置することで、集客が見込める。そして最後に、カジノは儲かる、という一番の理由も忘れてはいけ ない。

カジノに人を呼ぶため、テーマホテルと呼ばれるカジノ付ホテルが増え、「遊園地」や「巨大ショッピングモール」「シアター」「世界一巨大な噴水」 「ピラミッド」「凱旋門やエッフェル塔(本物の半分の高さ。当初は実物大の予定だったが、空港に近いという理由で小さくしたらしい)」というおまけを作って客を集めるのである。他にもセリーヌ・ディオンやエルトン・ジョンなど 世界的なシンガーやシルク・ドゥ・ソレイユのサーカスと年間契約して独り占めしたり、ミュージカルも開催しちゃったりと、そのスケールもアイデアもハンパ ではない。もちろんフレッシュな食材で贅沢なバッフェを格安で提供し、「食」でもウリを作る。

そして、これらの贅沢な仕掛けは全て、「カジノをやってもらうため」の客寄せ、なのである。

そもそもホテル自体がおまけとも言える。少しでも多くの人を呼んでカジノをしてもらうため、部屋代も相場の半分ほどに設定しているところもある。


この贅沢さがラスベガスのシンボルでもあるが、 一つ忘れてはいけないのは、ラスベガスが




     砂漠のど真ん中にある




ということ。

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海も山も無い、資源に乏しく、特別な産業も無かった場所である。私はロス方面から車でラスベガスへ移動したことがあるのだが、途中では地平線が見えるほど広くて何も無い「砂漠」。(といっても砂丘のある砂漠ではなく、だだっぴろい平らな土地に時折見える茂みだけ・・という感じ。幾ら移動しても景色 は変わらない)
その何もない砂漠を車でずーーーーーーーーっと移動すると、ようやく見えてくるのが、世界12大ホテルのうち11軒が名前を連ね24時間眠らない贅を尽くした娯楽都市ラスベガスなのである。


要は、言ってしまうと、人間の都合で、砂漠の「ど真ん中」に、世界で最も贅を尽くした都市が出来てしまったのである。(自然環境の観点で見れば、そんな不便な土地にわざわざ作る必要は無い)

もともと砂漠で何にも無い訳だから、そこに巨大ホテルを建てるため莫大な量の資材を長い長い砂漠を越えて運び、気が遠くなるような労力をかけ建築するのである。また街として機能させる ための、電力や水の供給。さらには高級レストランへフレッシュな食べ物を毎日砂漠を越えて運ばなくてはいけない。海や畑が隣にある訳じゃないんですよ。 ぜーーんぶ、砂漠を通って運ばなくちゃいけないんである。

しかし、カジノが合法で、州の境界という理由だけで、こんな不便で暑い場所に、世界中から人が来たくてしょうがないような都市を作ってしまった。 私はこんな、自然摂理と矛盾し、人間の都合で出来てしまった砂漠都市に、ある種のロマンを感じてしまい、心の中でずっとラスベガスは特別な存在だった。





そこに出現したのが、ドバイである。

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自分の中で、人類の繁栄と欲望の象徴だったラスベガスを、ドバイはあっけなく凌駕してしまった。
どちらも砂漠の都市。ドバイはしかも砂丘でラクダのいる国。温度は50度を超える事もある。
人類の欲と技術の果ては、なぜか生活の困難な砂漠地域に行き着く。
そんな矛盾も、またロマンの一つだ。

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