中東のハリウッドとなるべく、映画産業の活性化やロケ誘致を積極的に進めているドバイ。ここ近年は本場ハリウッドからビックタイトルのロケも行われるようになり、世界公開される映画にドバイが写る機会も増える事だろう。ドバイはそのままで、まさに映画の舞台になるような都市である。今後のメディアでの露出がさらに期待される。
Mission: Impossible Ghost Protocol(ミッションインポシブル4)
世界的な成功映画として知られる、トムクルーズ主演のミッションインポシブルシリーズ。その最新作であるMission: Impossible -- Ghost Protocol (2011年12月16日アメリカ公開予定)の撮影舞台としてドバイが選ばれた。制作費が140億円もする超大作の舞台がドバイになった事で、今後もさらにロケ地としてドバイが利用される可能性が高い。ドバイファンにとっては熱い話である。
撮影は、2010年11月に3週間ほど、約400人が滞在しての大型ロケとなった。情報筋によると、撮影場所はブルジュ・ハリファ、メイデン競馬場、そしてカーアクションはシェイクザイード通りのデイラ地区とバールドバイ地区で行われたという噂だ。
ドバイのロケでも特に驚くべきは、やはりトムクルーズ本人のスタントである。危険なスタントも自ら行う事で有名なトムだが、世界一の高さを誇るブルジュ・ハリファでも、やはり自らワイヤーを吊り下げて危険なスタントを実行した。
展望台「アット・ザ・トップ」から吊り下げられて、壁づたいに走るシーンが撮影された。従って、およそ地上120階前後でのスタントだったと言える。
↑ドバイでトムクルーズとM:I4監督にインタビュー
世界で最も高い位置(建造物上で)に上ったトムクルーズ。これも撮影中?
上の写真は、首長シェイク・ムハンマドがトムクルーズと会い、ファルコン狩りについて直々に説明をしている様子。撮影クルーが滞在中は、撮影の模様についてドバイ地元新聞紙でも毎日トップ記事で扱い、かなりのフィーバーぶりだったようだ。戦略的に世界のShow Bizを呼び込もうとしているドバイとしては、M:I4のロケは願ったりかなったりという所だったのだろう。
以下、関連リンクなど。
- シネマトゥディ:『ミッション:インポッシブル / ゴースト・プロトコル』タイトル発表!ドバイの撮影を開始!
- シネマトゥディ:トム・クルーズ、超危険!超高層ビルの外壁で行ったスタントにファンも冷や冷や!?
- ドバイ千夜一夜 ミッションインポッシブル4のドバイ撮影、メディアの反応(ブログ)
- ウィキペディア:ミッションインポシブル4 Ghost Protocol
007新小説 CARTE BLANCHE
とうとうあのジェームズボンドもドバイを舞台に活躍!2011年5月26日に発売予定の、作家ジェフリー・ディーヴァーによる007の新作は「CARTE BLANCHE」。作者のジェフリーが2010年にエミレーツ航空のイベントでドバイに訪れた際に、ドバイにすっかり惚れてしまい、次回作はドバイにすると決めたそうだ。発売日は007の原作者であるフレミングの誕生日にあわせて発売される。
2011年1月17日には、ドバイのインターコンチネンタル・ホテルで、CARTE BLANCHEの記念パーティが行われた。
ストーリーの詳細は明かされていないが、ドバイを舞台にどんなストーリーで興奮を与えてくれるのだろうか?もちろん、将来的な映画化も期待したいところだ。The Book Bond(英語)では、007新作についてより詳しく書かれています。
Paris Hilton's Dubai BFF
パリスヒルトンが女性のベストフレンドを探す人気番組Paris Hilton's My New BFFのシリーズ4作目が、ドバイを舞台に撮影された。BFFはBest Friend Foreverの意。10人のUAE国籍の女性と、10人の他の国籍の女性(ドバイ在住)が参加者となり、BFFを目指してしのぎを削る。
撮影は2009年6月に17日間に渡って行われたが、その後制作会社などの支払い・契約のトラブルが発生し、法廷で契約不履行について審議をしている模様。2011年中には放映がされる模様ではあるが、残念ながら2011年2月現在ではっきりした予定は発表されていない。お蔵入りになる事だけは回避して欲しいところだ。
ドバイ国際映画祭
目指せ、中東のハリウッド!!という事で、鳴り物入りで2004年からスタートしたドバイ国際映画祭。主に中東、アジア、アフリカ地域の映画産業活性化を目指し創立された。毎年一回、年末に授賞式が行われている。インドやフランスなどの作品も多く出展されているが、日本映画では、2010年に村上春樹原作の「ノルウェイの森」が最優秀作曲賞に選ばれた。
中東地区で活躍する映画監督にとっては年に1度の大舞台となるが、海外の映画を引き込むにあたっては、そのテーマや内容・映像について、厳格なイスラム教文化への配慮も必要であり、ドバイの映画作業発展の一つの課題となるのではないだろうか。
オフィシャルサイト⇒http://www.dubaifilmfest.com/index.php/en/
[おまけ] ドバイ・メディア・シティ
TECOM(The Dubai Free Zone For Technology, e-Commerce and Media)と呼ばれる、タックスフリーでビジネスが出来るエリアがあり、海外のテクノロジーやメディア企業が好条件で入居できる制度がある。大容量のインフラも用意し、労働者にはまとめてビザを発行するなど、とにかくこれ以上ない優遇措置を行い、海外からのメディア誘致を積極的に行っている。
ドバイ・メディア・シティもそのゾーン内にある一つのエリアで、84以上ものビルによって構成される。世界中の有名メディアやエンタメ系雑誌・新聞のメディアが既に入居しており、有名なところではロイター、CNN、BBC、ブルームバーグなどがオフィスを構えている。その数も現在は1300社以上となり、中東エリアのメディアのハブ機能として既に活発に動いている。