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ドバイ特集

[コラム] ラスベガスを越えた砂漠都市

欲望と繁栄の都市ラスベガス

人間の欲望と技術がどれだけ「すさまじい」ものか、初めて体験したのは、カジノで有名なラスベガスに行った時だった。

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ご存知の通りラスベガスはカジノで有名だが、何故ここでカジノが発展しているのかと言うと、一つの理由は税金の安さ。ラスベガスのあるネバダ州は 個人所得税・法人税が無く、他の税金もかなり低いので、大企業にとって魅力的な土地なのだ。そして二つ目にネバダ州はカジノが合法であるということ。囲ま れる州は全て賭博が禁止されているので、州境にカジノを設置することで、集客が見込める。そして最後に、カジノは儲かる、という一番の理由も忘れてはいけ ない。

カジノに人を呼ぶため、テーマホテルと呼ばれるカジノ付ホテルが増え、「遊園地」や「巨大ショッピングモール」「シアター」「世界一巨大な噴水」 「ピラミッド」「凱旋門やエッフェル塔(本物の半分の高さ。当初は実物大の予定だったが、空港に近いという理由で小さくしたらしい)」というおまけを作って客を集めるのである。他にもセリーヌ・ディオンやエルトン・ジョンなど 世界的なシンガーやシルク・ドゥ・ソレイユのサーカスと年間契約して独り占めしたり、ミュージカルも開催しちゃったりと、そのスケールもアイデアもハンパ ではない。もちろんフレッシュな食材で贅沢なバッフェを格安で提供し、「食」でもウリを作る。

そして、これらの贅沢な仕掛けは全て、「カジノをやってもらうため」の客寄せ、なのである。

そもそもホテル自体がおまけとも言える。少しでも多くの人を呼んでカジノをしてもらうため、部屋代も相場の半分ほどに設定しているところもある。


この贅沢さがラスベガスのシンボルでもあるが、 一つ忘れてはいけないのは、ラスベガスが




     砂漠のど真ん中にある




ということ。

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海も山も無い、資源に乏しく、特別な産業も無かった場所である。私はロス方面から車でラスベガスへ移動したことがあるのだが、途中では地平線が見えるほど広くて何も無い「砂漠」。(といっても砂丘のある砂漠ではなく、だだっぴろい平らな土地に時折見える茂みだけ・・という感じ。幾ら移動しても景色 は変わらない)
その何もない砂漠を車でずーーーーーーーーっと移動すると、ようやく見えてくるのが、世界12大ホテルのうち11軒が名前を連ね24時間眠らない贅を尽くした娯楽都市ラスベガスなのである。


要は、言ってしまうと、人間の都合で、砂漠の「ど真ん中」に、世界で最も贅を尽くした都市が出来てしまったのである。(自然環境の観点で見れば、そんな不便な土地にわざわざ作る必要は無い)

もともと砂漠で何にも無い訳だから、そこに巨大ホテルを建てるため莫大な量の資材を長い長い砂漠を越えて運び、気が遠くなるような労力をかけ建築するのである。また街として機能させる ための、電力や水の供給。さらには高級レストランへフレッシュな食べ物を毎日砂漠を越えて運ばなくてはいけない。海や畑が隣にある訳じゃないんですよ。 ぜーーんぶ、砂漠を通って運ばなくちゃいけないんである。

しかし、カジノが合法で、州の境界という理由だけで、こんな不便で暑い場所に、世界中から人が来たくてしょうがないような都市を作ってしまった。 私はこんな、自然摂理と矛盾し、人間の都合で出来てしまった砂漠都市に、ある種のロマンを感じてしまい、心の中でずっとラスベガスは特別な存在だった。





そこに出現したのが、ドバイである。

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自分の中で、人類の繁栄と欲望の象徴だったラスベガスを、ドバイはあっけなく凌駕してしまった。
どちらも砂漠の都市。ドバイはしかも砂丘でラクダのいる国。温度は50度を超える事もある。
人類の欲と技術の果ては、なぜか生活の困難な砂漠地域に行き着く。
そんな矛盾も、またロマンの一つだ。


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